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のわき

野分

夏目 漱石

一个直言不讳的文学老师,在乡村中学碰了一鼻子灰。理想撞上现实的台风,他还能像野分一样坚持自我吗?

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 93,508 字 · 189 页

青空文庫

すると反対の方から同年輩の青年が早足に這入って来て、やあと声を掛けた。

「やあ」と高柳君も同じような挨拶をした。

「どこへ行ったんだい」と青年が聞く。

「今ぐるぐる巡って、休もうと思ったが、どこも空いていない。駄目だ、ただで掛けられる所はみんな人が先へかけている。なかなか抜目はないもんだな」

「天気がいいせいだよ。なるほど随分人が出ているね。――おい、あの孟宗藪を回って噴水の方へ行く人を見たまえ」

「どれ。あの女か。君の知ってる人かね」

「知るものか」

「それじゃ何で見る必要があるのだい」

「あの着物の色さ」

「何だか立派なものを着ているじゃないか」

「あの色を竹藪の傍へ持って行くと非常にあざやかに見える。あれは、こう云う透明な秋の日に照らして見ないと引き立たないんだ」

「そうかな」

「そうかなって、君そう感じないか」

「別に感じない。しかし奇麗は奇麗だ」

「ただ奇麗だけじゃ可哀想だ。君はこれから作家になるんだろう」

「そうさ」

「それじゃもう少し感じが鋭敏でなくっちゃ駄目だぜ」

「なに、あんな方は鈍くってもいいんだ。ほかに鋭敏なところが沢山あるんだから」

「ハハハハそう自信があれば結構だ。