轻松读懂日语经典作品
ja-reading.com
轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。
きんぎょはしんでいた
金魚は死んでいた
大下 宇陀児
「宝石九月号」岩谷書店、1954(昭和29)年9月1日
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 10,514 字 · 22 页
というのは、そんな挙動を見せて老人が私を警戒したら、という心配があつたからです。むろん、金魚鉢だから、金魚がいるのだとばかり、はじめから思いこんでいたのでして、だから、死んだ金魚も、ぼたんの鉢を持つて行つた時、ひらひら游いでいたはずだと考え、話しかけてきた刑事さんに、ばつを合せるような返事をしたわけです。あとで考えてみた時、事件発見者としての私は、何一つやりそこないをしなかつたという自信がありました。容疑はぜつたいにかからないものときめていたのですが、そんな小さな不注意がもとで、とうとう疑いがかかつたというのは、正直なところ、まことに残念でもあり、また悪いことは、やはりできないものだということを、しみじみ考えさせられた次第です……」
これで事件は完全に解決されたといつてよいのであろう。
ほかに、三人の容疑者があることはあつたが、むろんこうなれば、問題とするところは何もない。
それらの人について調査の結果は、ついに発表されなかつたが、事件解決後、青流亭女将進藤富子は、醉つて腹を立てた口調になつて、やはり、ある料亭の女将である女友達に向い、
「ばかにしてるのさ、あたしはね。