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ながさきのかね
長崎の鐘
永井 隆
「長崎の鐘」日比谷出版、1949(昭和24)年1月30日
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 65,109 字 · 131 页
「さあ、もしかしたらアルミニウムのような軽い原子じゃなかろうか」
「でもそんな小さな原子じゃ、解放される力も小さいだろう」
「しかし、ウラニウム原鉱は地上に少ないよ。これだけの大戦争に使用するためには、容易に手に入る元素がないと思う」
「なあに、ウラン鉱はカナダからいくらでも出るんだ」
「材料と関係のある話なんだが、一体どういう方法で、希望の瞬間に、大量一時に、原子爆裂を起こさしたものだろう」
「さあ、それだ。それが各国物理学者の知恵比べの焦点だったんだ。さっき、ローレンスの名が出たね、例のサイクロトロンで原子核破壊の第一人者だが」
「まさかあの爆弾の中にサイクロトロンを入れることはできまい。理化学研究所のを見てきたことがあるが、大きな建物一つほどのでっかいものだぜ」
「それをなんとか小型にしてさ」
「いや、高圧絶縁とか電磁石とかを考えれば、ちょっと小さくはされないね」
「ラジウムかなにかを使って、アルファ線のようなものを利用したら?」
「それとも宇宙線の中間子なんか利用できんか」
「あっ、思い出した。そうだ、フィッションだ」
「なんだ、なんだ。フィッションとは?」
「フィッションだ。