轻松读懂日语经典作品
ja-reading.com
轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。
ゆきこんじゃくものがたり
雪今昔物語
中谷 宇吉郎
「自然」1947(昭和22)年6月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 15,695 字 · 32 页
一四
一四
雪の話は、もうこれまでに何回となくしたものである。それに研究の経路を主とした話なので、小学校の生徒から大学の物理学科の卒業生までくらいの広い範囲の聴衆に、適当に調子を合わせることが出来るような便利な話である。
初めは中学一年生としての殿下を考えて、そのつもりでお話をし始めたのであるが、十分ばかりするうちに、殿下の学力がもっとずっと進んでおられることがわかった。ちゃんと正座して、熱心におききになっているのであるが、灸所々々をよく御理解になり、そういう点によく興味をおもちになっている節が感ぜられた。それでだんだん程度を高くして、大体中学の上級生くらいを相手としたお話をしたのであるが、殿下はよく御理解になれるようであった。
比較的困難な実験が、例えば雪の結晶の一つ一つの目方を測るというような実験が、一寸した工夫によって巧く行くというところなどを御説明申し上げると、如何にも御意に召すらしく、お可愛ゆく微笑をされた。そして陪聴の御用掛の方たちの方へ笑顔を向けられ、面白いねというふうに同意を求められるような御様子を示された。
つい話に気がはいって、一時間半近い御進講になってしまったが、その間殿下にはおつかれの御様子もなく、熱心におききになっておられた。