轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

ゆきやなぎ

雪柳

泉 鏡花

「中央公論 第五十二年第十三號」1937(昭和12)年12月

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 45,054 字 · 90 页

青空文庫

熟と、ともに天井を仰いだ直槙は、その丸髷の白い顔に、鮮麗な眉を、面影に見たらしい。――熟と、しばらくして、まうつむけのように俯向いた。酔っている。

「や、あなたは庭下駄を穿いていますね。」

吃驚して私が云った。

「いっそ脱ぎましょうか。」

「跣足になる……」

「ええ。」

「覚悟はいいんですか。」

「本望ですわ。」

「一本松へ着いてから。」

「ええ一本松へついてから。」

「一緒に草葉の蛍を見ましょう。」

「是非どうぞ。」

「そこまでは脱がせません、玉散る刃を抜く時に。」

が、例の牛蒡丸の洋杖で、そいつを捻くった処は、いよいよもって魅まれものです。

――さて、その一本松です。夜目に見て、前申した故郷の松にそのままです。一体、名所の松といえば、それが二本松、三本松でも、実際また絵で見なくても、いい姿はわかるものです、暗夜の遠燈の、ほの影に、それに靄をかけた小雨なんです。

――ああ、まだあすこをごらんにならない。――実は私もその夜がはじめてで。

事情あって、その後も、あの一本松、また寺の石磴のあたりまでは参りましたけれども、石磴を上ったって松も何もありはしません。磴は横です。