轻松读懂日语经典作品
ja-reading.com
轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。
ましょうのおんな
魔性の女
大倉 燁子
「マスコット 一巻七号」1949(昭和24)年9月号
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 9,898 字 · 20 页
近頃ではただ知るだけでは満足出来ない。僕の肉体は髪の毛から足の爪まで、いや、出来ることなら皮膚を破ぶって内臓を引き出し、僕の心臓までしらべてやろうという欲望に燃えているらしいのだ。しかし、僕を殺してしまってはならない。死なせることは彼女自身をも殺す結果になるのだから、そこで、どうしても心霊の必要を感じる。霊の力によって、僕の本心を探ろうとするのだ。そして、常に凝視の眼を怠らぬことである」
本庄はぱたりと日記帳をふせて起ち上った。
「勝手にしやがれ。心霊がなんだ。霊の力がなんだ。たわけ者!」
ぺっと庭に唾を吐いた。
「只今」
いつ帰って来たのか、安子が後ろに立っていた。
「日記お読みになって怒ってらっしゃるの?」
と、にっこりした。
本庄はむうっとして横を向いた。
「気まりが悪るいんでしょう? 何もかも知られちゃって? オホホホホでも、あなたが外で何をなさろうと、私はちっとも怒りゃしないのよ。あなたの傍には、あなたの眼には見えないけれど、いつでも私の霊が附き添って見ているんですから、私、何んでも知ってるわ。そして、どんな女が出来ても、結局は私が一番好きで私の腕の中へ帰っていらっしゃるってことがわかっているから嫉妬も起らないのよ。