轻松读懂日语经典作品
ja-reading.com
轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。
ましょうのおんな
魔性の女
大倉 燁子
「マスコット 一巻七号」1949(昭和24)年9月号
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 9,898 字 · 20 页
二
何んでも知ってやがるのは、つまりその第七感が発達しすぎるからだ。そして近頃はますます鋭どくなりやがった。このまま進んだら僕は苦しくって一緒にはいられない。気狂いになってしまうぜ」
「あなたを気狂いにさせるほどの情熱、私は羨しいわ。あなたの奥様が――」
「何云ってるんだ。君がいなかったら僕は生きちゃいられない。奥さんぎりだったら僕はとうに自殺してしまってらあ」
「私には第七感どころか第六感も働かない、平々凡々で何にもわからないから、そこがあなたには肩が凝らないし、気楽でいいんでしょう?」
「君とこうしている時だけが、僕には天国なんだよ」
本庄はついと起ち上って、ちょっと次の間を覗いた。水色の覆いのかかった涼しそうなスタンドが枕許に点いていて、白麻の蚊帳越しに紅入友の蒲団がなまめいて見えた。彼は襖をしめきると、桃子のそばへにじりよって肩へ手をかけて、引きよせ、
「ねえ、僕の全部は君のものなんだよ」
桃子のコップを持った手がぶるぶると震えた。
「駄目よ。ビールがこぼれるわ」
と、飲みかけのコップを彼の唇へ持って行った。
二
家を出る時、今日は宴会で少し遅くなるかも知れないと云っておいたので、十二時近くに帰ったが、妻の安子は別に怪しむ様子もないのに内心ほっとして、言わずもがなのことまで軽口にしゃべりつづけた。