轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

あたまでっかち

あたまでっかち

下村 千秋

「赤い鳥」1935(昭和10)年2~4月

N3 · 进阶 · 新字新假名 · 17,773 字 · 36 页

青空文庫

一一

」

一一

そうして林太郎としろ公は、どのくらいの道を歩いたろうか。ふと目を上げるとはるか右手のほうに、たくさんの電灯が、まるで野原一面にさきみだれた花のようにきれいにともっているのが見えました。

「ああ、土浦だ、土浦だ!」

林太郎はとび上がってよろこび、

「やいしろ公、おっかさんのいる町がめえるじゃねえか。」

けれどしろ公はやっぱりとぼとぼと歩いています。林太郎はそのしろ公を両手で高くさしあげて、

「それ見ろよ。あれだよ。すてきだろう。」

林太郎はすっかり元気づき、走るように歩きだしました。

だが、町の灯はすぐそこに見えていながらなかなか遠いのです。林太郎が近づいていけばいくほど、町のほうで遠くへにげていくようにも見えます。それで林太郎は、はあはあいいながら夢中で進んでいきました。そしてやっと町の入口へついたときは、足は棒のようになり、頭はぽうーっとなっていました。しろ公もすっかりまいったとみえ、しっぽをおなかの下へまきこみ、ひょろひょろ歩いています。

この町の灯を遠くから見ながらくるときは、林太郎の目にはこの町がおとぎ話の竜宮のように美しいところに思われたのでした。