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おさかなじょし
お魚女史
「八雲 第三巻第八号」八雲書店、1948(昭和23)年8月1日
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 9,457 字 · 19 页
十六の倅があって、十五の娘がある男の仕業とは、とうてい信じられないフルマイであるが、ゴシップとくると、タシナミも恋も忘れて一膝のりださずにはいられないという奇怪な男で、このときも、忽ちとりのぼせて、喜悦のあまり肩をワナワナふるわせながら、膝をのりだしてきたのである。
すると、テーブルがグイグイッと動いて、彼の胃袋のあたりへドシンと突き当った。
「アラ、ゴメンあそばせ」
と、お魚女史は事務的に呟いたゞけであった。彼女は弁吉の話の途中から、多忙をきわめていたのである。どういう目的だか判らないが、テーブルの上のものを、せッせと下へ降していた。口惜しまぎれに、酒をのませないコンタンかな、と私も呆気にとられていたが、凹井がゲタゲタ喜悦の笑いを吹きあげて一膝のりいれると、折から酒肴の取り払われたテーブルをチョイとひいて、ドシンと凹井の胃袋にぶつけたのである。
「お痛くありませんでしたことウ」
などゝ鼻唄みたいに呟きながら、尚もせッせとワキメもふらず、今度はテーブルをふいていた。
「ワッハッハ。そうですか。ケッケッケッ。二股のヒジはアナタにぶんなぐられたんですか。キャッ、キャッ、キャッ。