轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

ぐうたらどうちゅうき

ぐうたら道中記

佐々木 邦

「主婦之友」主婦之友社、1922(大正11)年1月~12月

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 164,113 字 · 332 页

青空文庫

と常子さんが揚げ足を取ると、

「それさ。それが可笑しいのさ」

とお父さんが笑い出した。一人娘は僕達のような十把一からげの数ものとは違うようだ。一寸こんなことを言ってもお父さんに笑って貰える。一人だから余計に存在を認められるのか、家庭の一員として充分の権利と尊敬を享有しているのらしく、却って此方が羨ましかった。

談話は当然の順序でお互の身の上から奈良のことに移った。常子さんのお父さんはお役人で始終県下へ出張するから、この地方のことに頗る明るい。駒場出だと言ったから、産業の方の技師だろうと推測していた通り、

「地方は何処も大抵然うですが、こゝは殊に旧弊のようですよ。何でも昔の通りでないと承知しません。それですから田舎へ行くと百姓が私達を洋服を着て靴を穿いた浮塵子だといって唯々厄介者扱いにします」

と折に触れて愚痴になった。

「浮塵子って何のことですか?」

と僕は少しでもお父さんの参考になりそうなことは覚えて置こうと思って訊いてみた。

「成程、東京からでは浮塵子から説明を要しますね? 浮塵子というのは稲につく害虫ですよ。私達が農作について種々と六ヶ敷い註文をするものですから百姓が煩さがって悪口を言うのです」