轻松读懂日语经典作品
ja-reading.com
轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。
さまようまちのさまよういえのさまようひとびと
さまよう町のさまよう家のさまよう人々
国枝 史郎
「探偵」1931(昭和6)年7月~11月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 37,916 字 · 75 页
十六
十六
繁青年に対する命令、それが終わると他の会員が呼ばれ、――次の部屋へ呼び入れられ、悪事に対する他の用件を、又会長から云い付けられるのでした。で、私といる会員達は次々にこの夜会長によって、それぞれの仕事を命ぜられる可く、集まって来ていた連中なのです。
私はこっそり地下室を出ました。
森へ出るとホッとしました。
大変も無い毒気の中から、やっと逃れ出た人間かのように、本当にホッとしたのです。
守衛達は私を咎めませんでした。
会長から命令を受け取って、地下室から出て来た会員の一人だと、こう解したからでしょう。
すがすがしい森の香を嗅ぎ乍ら、私はまるで歌うかのように、
「さまよう町の、さまよう家の、さまよう人々のその中で……」と、こう小声で呟きました。
(役目を果たさなければなりません。……役目? 殺人! 恋人殺し! 富豪の美しい令嬢殺し!)
(さまよう町の、さまよう家の、さまよう人々とは併し何んだ?)
私はこのことを考えました。
大変詩的で美しく、ミスチックでさえある言葉であることよ!
(さまよう町の、さまよう家の、さまよう人々!)
私は考えに耽りました。
私が青幇の集会所の、地下室へ這入って行くという、この危険を冒したのは、会長の何者だかということと、もし探れたら何が故に、そう迄青幇の連中が、柵家へ仇をするのであろ