轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

ちくしょうだに

ちくしょう谷

山本 周五郎

「別冊文藝春秋」1959(昭和34)年4月

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 69,788 字 · 138 页

青空文庫

昨夜のうちに揃えさせておいた、かけはしに使う渡り板は、まっ白に霜をかぶってい、数えてみると、命じておいたより十枚も多くあった。

「穴をこじる物と槌だな」隼人は洗面をしながら呟いた、「槌があればいいが」

朝食のまえに、隼人は博多の男帯二本で股当てを作った。綱で躯を縛るだけでは、動作が自由にいかないことがわかったからである。帯二本で二つの輪を作り、それを綱の先端へ繋ぐようにする。輪の一つ一つへ足を入れて躯を吊れば、両手が使えるから仕事が楽に出来る、と考えたのであった。――穴をこじるための鉄梃や槌は、小者たちが持っていた。道具類は倉にあったので焼けたが、それでも斧や手斧、鋸など、必要な品はたいてい揃えることができ、六時ちょっと過ぎには木戸をでかけた。人数は岡村七郎兵衛に乾藤吉郎、松木久之助と足軽六人で、弁当を持った小者が二人付いた。

晴れてはいるが、寒気の強いため、道は凍っていて滑りやすく、重い板を運ぶのにかなり苦労した。第一のかけはしを渡ってから、板を運ぶ組は別れて、そのまま道を下り、隼人らの組は昨日のはざまを登った。そして、二本杉までいって、印を付けた杉を伐り、支柱にする杭を作っていると、板を運んだ組が登って来た。