轻松读懂日语经典作品
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ちゃん
ちゃん
山本 周五郎
「週刊朝日別冊陽春特別読物号」朝日新聞社、1958(昭和33)年2月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 22,377 字 · 45 页
七
「おれはね、重吉ってえもんだ」彼は坐り直した膝を固くし、そこへ両手の拳をつっぱって云った、「両替町の五桐の店で、子飼いから育った職人だ、はばかりながら、五桐火鉢を作らせたら、誰にもひけはとらねえ、おめえ――それを疑うか」
「とんでもねえ」と喜助はいそいで首を振った、「そんなことはちゃんと世間で知ってますよ」
重吉は盃を取って飲んだ。
七
「おれは腕いっぱいの仕事をする、まっとうな職人なら誰だってそうだろう、おれは先代の親方にそう仕込まれたし、仕込まれた以上の仕事をして来たつもりだ」重吉は空になった盃を持ったまま相手を見た、「ここをよく聞いてくれ、いいか、――かりにも職人なら、自分の腕いっぱい、誰にもまねることのできねえ、当人でなければできねえ仕事をする筈だ、そうしなくちゃあならねえ筈だ、違うか」
「そのとおりだ、そのとおりだよ、親方」
「おめえはいい人間だ」と重吉が云った、「どこの誰だっけ」
「まあ注ぎましょう」喜助は酌をした。
重吉はそれを飲み、ぐたっと頭を垂れた。喜助はすばやく二杯、手酌であおり、膳の上にある鉢の中から慈姑の甘煮をつまんで口へほうりこんだ。