轻松读懂日语经典作品
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ちゃん
ちゃん
山本 周五郎
「週刊朝日別冊陽春特別読物号」朝日新聞社、1958(昭和33)年2月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 22,377 字 · 45 页
お直はふるえる声を抑えて云った、「――二十日ばかりまえのことだけれど、檜物町がここへ来て、あたしに同じようなことを云ったわ、いまのようでは、うだつがあがらない、うちの仕事をするようにすすめてくれ、そうすればもうちっと暮しも楽になるからって」
「やっぱり、檜物町が来たのか」
「来たけれどおまえさんには云わなかったし、檜物町にも、あたしは仕事のことには口だしをしませんからって、そう断わっておきました」お直は怒ったような声で続けた、「――おまえさんがそんな仕事をする筈もなし、あたしたちだっておまえさんにいやな仕事をさせてまで、楽をしようとは思やしません、良は十四、おつぎは十三、あたしだってからだは丈夫なんだから、一家六人がそろっていればこそ、苦労のしがいもあるんじゃないの」
「そいつも考えた、いちんち、ようく考えてみたんだ」と重吉は云った、「けれどもいけねえ、昨日お店で勘定を貰ってみてわかったが、勘定はこっちの積りの半分たらずで、これからは売れただけの分払いだという、つまりもうよしてくれというわけだ、これまでだって満足な稼ぎはせず、飲んだくれてばかりいたあげくに、見も知らねえ男を伴れこんで、ありもしねえ中から物を盗まれた、もうたくさんだ、自分で自分にあいそがつきた、おらあこのうちの厄病神だ、頼むから止めねえでくれ