轻松读懂日语经典作品
ja-reading.com
轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。
ちゃん
ちゃん
山本 周五郎
「週刊朝日別冊陽春特別読物号」朝日新聞社、1958(昭和33)年2月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 22,377 字 · 45 页
それまでの話がとぎれたとき、ふと調子を変えて新助がきいた。
「いや」と重吉は首を振った。
「話にゆくって云ってたんだがな、うちのほうへもいかなかったか」
重吉はまた首を振った、「来ないようだな、なにか用でもあるのか」
「うん」新助は云いよどみ、燗徳利を取って重吉にさした、「まあ一つ、――おめえ弱くなったのか」
「檜物町はおれになんの用があるんだ」
「かさねろよ」と新助は酌をしてやった、「このまえからおれと檜物町とで話していたんだ、長沢町、――つまりおめえと檜物町とおれは、一つ釜の飯を食って育った人間だ」
新助は本店の「五桐」の話をした。
日本橋両替町にあるその店は、五桐火鉢という物を作っている。いまは三代目になるが、先代のころまでは評判の店であった。さしわたし尺二寸以上の桐の胴まわりに、漆と金銀で桐の葉と花の蒔絵をした火鉢で、その蒔絵の桐の葉が五枚ときまっているため、五桐火鉢と呼ばれるのであり、作りかたに独特のくふうがもちいられていて、ほかにまね手のないものと珍重されていた。
かれら三人はその店の子飼いの職人であった。重吉が一つ年上、新助と真二郎はおない年だったが、五年ばかりまえ、新助と真二郎は「五桐」