轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

とむらいきかんしゃ

とむらい機関車

大阪 圭吉

大阪圭吉『とむらい機関車』。同一底本的分册已合并为一书。收入:とむらい機関車、死の快走船、気狂い機関車、闖入者、三狂人、白妖、あやつり裁判、銀座幽霊、動かぬ鯨群、寒の夜晴れ、坑鬼。

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 186,729 字 · 371 页

青空文庫

船長室にも無電室にもみつからないと、東屋氏は、船橋を降りて後甲板の士官室へ飛込んだ。が、いない。直ぐ上の、食堂にも、人影はない。――もうこの上は、船首の船員室だけだ。

東屋氏は、丸辰と署長を連れて、前甲板のタラップを下り、薄暗い船員室の扉の前に立った。耳を澄ますと、果して人の息使いが聞える。東屋氏は、すかさず扉をサッと開けた。――ガチャンと音がして、室の中の男が、ランプにぶつかって大きな影をゆららかしながら、向うへ飛び退いて行った。けれども次の瞬間、激しく揺れ続ける吊ランプの向うで、壁にぴったり寄添いながら、眼を瞋らし、歯を喰いしばって、右手に大きな手銛を持ってハッシとばかりこちらへ狙いをつけたその船長を見た時に、丸辰がウワアアと異様な声で東屋氏にだきついた。銛が飛んで、頭をかすめて、後ろの壁にブルンと突刺さった。が、署長の手にピストルが光って、直ぐに手錠のはまる音が聞えると、丸辰が顫え声を上げた。

「そ、その男は、死んだ筈の、北海丸の船長です!」とゴクリと唾を呑み込んで、肩で息をしながら、「そ、それだけじゃアない……いやどうも、さっきから変だと思ったが、あの運転手も、それから、甲板で捕まった水夫達も、ああ、あれは皆んな、死んだ筈の北海丸の乗組員です!」