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とむらいきかんしゃ

とむらい機関車

大阪 圭吉

大阪圭吉『とむらい機関車』。同一底本的分册已合并为一书。收入:とむらい機関車、死の快走船、気狂い機関車、闖入者、三狂人、白妖、あやつり裁判、銀座幽霊、動かぬ鯨群、寒の夜晴れ、坑鬼。

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 186,729 字 · 371 页

青空文庫

係長は持上げた兇器を直ぐに投げ出して、監督のほうへ蒼い顔を見せた。

いままで固くなって立っていた工手が、始めて口を切った。

「あれからひときりついて、浅川さんが見巡りに出られますと、私は器具置場までコテを置きに行きましたが、その間にこんなことになったんです」

浅川と云うのは監督の名前であった。工手は古井と呼んだ。二人とも発火直後のまだ興奮のさめきらぬうちに、このような事件にぶつかったためかひどくうろたえて落着を失ってた。しかし落着を失ったのは、二人ばかりではなかった。平常から太ッ腹で通した係長自身が、内心少なからず周章ててしまった。

発火坑は一坑にとどまった。とは云えその問題の一坑の損害の程度もまだ判りもしないうちに、貴重な技師が何者にとも知れず殺害されてしまった。切った張ったの炭坑で永い間飯を食って来た係長は、人が殺された、と云うよりも技師が殺されたという意味で、恐らく誰よりも先に周章てていたのに違いない。

しかしやがて係長には、厳しい決断の色が見えて来た。

「いったい、誰が殺ったんでしょう。こちらで目星はつきませんかな?」

請願巡査が呑気なことを云うと、