轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

めおとちょう

めおと蝶

山本 周五郎

「講談倶楽部 春の臨時増刊号」大日本雄弁会講談社、1950(昭和25)年4月

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 23,977 字 · 47 页

青空文庫

信乃にはもちろんその方面のことはわからないが、少なくともそれが知也と無関係でないという点だけは察しがついた。おそらく彼は脱出に成功し、江戸へいったに違いない、井巻国老の待命はその証明であると思っていいだろう。

「おめでとう、お姉さま、とうとうやったわね」

妹は訪ねて来て、手を拍って云った。

「もしかするとって、思ったけれども、やっぱり知也さまだわ、大掃除が始まるのね、きれいさっぱりと、誰がどうなって誰がどうなるか、ともかく新しい風が吹きだすんだわ、お姉さま、勇気をおだしになってね、……文代はどんなにでもお力になるわ、こんどこそ本当にお姉さまらしく生きる機会よ」

「もう心配は御無用、勇気はだしているわ」

「きっとよ、約束してよ、これでわたくしの夢がかなうわ」

文代は三日にあげず来て、いろいろの情報を伝えた。江戸からは二度め三度めの使者があり、老職のうち佐渡幸左衛門と沼野又蔵が差控え、筆頭年寄の小林道之助が謹慎を命ぜられた。ついで母方の伯父の、松島外記が筆頭年寄を代行し、実家の兄が老職肝入を命ぜられたという。……このあわただしい変動のなかで、良平はしだいにおちつかなくなった。