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ソヴェトぶんだんのげんじょう

ソヴェト文壇の現状

宮本 百合子

「綜合プロレタリア芸術講座 第一巻」内外社、1931(昭和6)年5月号

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 28,896 字 · 58 页

青空文庫

彼は、原稿をよんで、政治的な部分は根底から書き直す必要があると注意した。「赤い木」で、ピリニャークは農村の社会主義化、即ちソヴェト五ヵ年計画の意味を決定する根本的な大事業を扱った。それを、全然反動的見地から扱った。「ソヴェトにおける経済政策は都会に於ては革命前の時代からあったものを徐々に食いつぶして行くことを余儀なくさせ、農村においてはそれは裕かな几帳面な一家の主人を、貧農にかえるべく、風の吹きとおすあばら家一つの持主にかえるべく、向けられている。」と。

おまけにピリニャークは、断言している。我国にはいかなる社会主義的組織もないと。農村集団化の問題は困難な実践だ。ソヴェトの作家たちでも、富農撲滅の必然性を把握することのできないものが少くなかった。一九二一年の新経済政策以後は、農民に雇傭労働の自由や、土地の賃貸借、収穫物の自由売買等が許され、それが段々農村に於ける資本主義への後もどりとなった。その結果一九二七・八年、秋、政府は、富農の妨害にあって、麦の買いつけに大困難し、一種の強制買付を行った。

「だが、富農は遊んで食って富農になったんじゃあない。彼等はつまり他の農民より稼ぎ手だったと云うに過ぎない。