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プロレタリアぶんがくにおけるこくさいてきしゅだいについて
プロレタリア文学における国際的主題について
宮本 百合子
「読売新聞」1931(昭和6)年10月16、17、20~22日号
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 7,199 字 · 15 页
中国は中国、日本は日本、をファッショの立場から主張する文化的下地を最もよくつくるのは、国際的主題によるらしく見えるブルジョア民族主義文学だ。
ブルジョア勃興期に、ブルジョア文学の異国趣味は植民地発見熱の反映として現れた。没落期に入ると一緒に、それは享楽的なブルジョア文化の消費者の猟奇癖をたんのうさせるために役立ち、急テンポに侵略的帝国主義のデクになり下りつつあるのだ。
群司次郎正という大衆作家がある。彼はよみ物提供の種をさがしに、異国情調、国際的背景を求めてハルビンへ出かけていた。すると、奉天のパチパチが起って、あの辺一帯が大騒ぎになった。(追記・日本軍部による張作霖の爆死事件につづく侵略)
異国情調を求めて来ていた群司次郎正は一躍、「ハルビン脱出記」の筆者となった。文中何というかと思うと「支那人の心情は根本的に獣である。これをよく知っているのはロシア人たちである。かつてハルビンが帝政華かなりし頃はロシア人は支那人を鞭で打ってキタイスカヤ街のような通りはこの野蛮人を通らせなかった」(!)
奉天にパチパチの起ったことについて日本帝国主義に内在する経済的・政治的理由も眼中に入れていない。