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おもいで

ロッパの悲食記

古川 緑波

古川緑波『ロッパの悲食記』。同一底本的分册已合并为一书。收入:想い出、ああ東京は食い倒れ、浅草を食べる、色町洋食、うどんのお化け、甘話休題、牛鍋からすき焼へ、下司味礼賛、神戸、氷屋ぞめき、このたび大阪、清涼飲料、食べたり君よ、駄パンその他、八の字づくし、富士屋ホテル。

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 52,651 字 · 114 页

青空文庫

※(ローマ数字2、1-13-22)

さて、ここに、それら関西風の、すき焼を語ったのは、やがてこれが、関東へ進出して、ギュウ鍋軍と戦い、ついに勝って、東京も亦、すき焼の天下となるおはなしの序である。

関西すき焼軍勝利のテンマツは、次回の読みつづきと致します。

※(ローマ数字2、1-13-22)

前回からの読みつづき。

関東牛鍋軍、ついに関西すき焼勢の軍門に下るという、眼目に入ります。

さて、前回に、関西の牛肉すき焼と、関東の牛鍋(ギュウナベと読むんですぞ)の在り方について、かなり、くどく語ったが、それは、関東流と関西流とが、かなり違った食いものであったことを、念を押したかったのである。

そして、僕の如きは関東の牛鍋が、勿論好きであるが、牛鍋とは又全く別な食いものとして、関西流すき焼も亦、悪くはないと、両方を食い比べているうちにそういう心境に迄至ったのであった。

が、さて、判然と、これは大正何年とか昭和何年とか、言うことは出来ないけれど、大体に於て、大正十二年の関東大震災の後ぐらいからではあるまいか、東京にも、関西風すき焼が進出して来たのは。そして、大いにこれが勢力を得て、それから段々と、東京の店でも、牛鍋とは言わなくなり、専ら、すき焼と称するようになった。