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おもいで

ロッパの悲食記

古川 緑波

古川緑波『ロッパの悲食記』。同一底本的分册已合并为一书。收入:想い出、ああ東京は食い倒れ、浅草を食べる、色町洋食、うどんのお化け、甘話休題、牛鍋からすき焼へ、下司味礼賛、神戸、氷屋ぞめき、このたび大阪、清涼飲料、食べたり君よ、駄パンその他、八の字づくし、富士屋ホテル。

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 52,651 字 · 114 页

青空文庫

駄パンその他

武者小路先生の近著『花は満開』の中に、「孫達」という短篇がある。先生のお孫さんのことを書かれた、美しい、たのしい文章である。

その中に、四人のお孫さん達が、食べものの好き嫌いがあるということを書いて、

……僕は勿体ないとか行儀が悪いとか言うので、たべたがらないものを無理に食べさすことにはあまり賛成ではなく、偏食はよくないと思うが、食慾が起らないものを無理に食べさす必要はないのではないかと思っている。食物を外にすてる方が不経済か、胃腑の中にすてる方が不経済か、僕にはわからない。……

と言って居られるのは、大変面白い言い方だと思った。全く、嫌いな物を食べることは、胃腑の中へ捨てるようなものだろう。

丁度、これを読んだ頃、サンデー毎日の「パリ勤めの苦しさ」(板倉進)というのを読んだら、ここには、「食べ残し」の説が出ていた。パリのレストオランに於ては、

……先ず食べ残すことを覚えるのが、第一課である……

とあり。

これも、無駄なものを、胃腑の中に捨てることはいけないと言う説である。

パリのレストオランのことを読んでいて、思い出すのは、それは文藝春秋の四月号だった、福島慶子さんの「巴里たべある記」