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よのなかへでるこどもたち
世の中へ出る子供たち
小川 未明
「婦人朝日」1939(昭和14)年1月
N3 · 进阶 · 新字新假名 · 3,905 字 · 8 页
」
「まあ、ごしんせつに、けっして、そんなことはないんです。それに、もう、みんなしまった後ですもの。」といいました。
正吉は、そう聞くと、いくらか気持ちが楽になりました。急いで、駅に入ろうとしたときに、夜遅く、寒いのに、外に立ちながら、花を売っている少女を見ました。やはり家のために働いているのであろうが、あまり振り向いて見るものすらありません。
「そうだ、あの金で、この少女の花を買ってやろう。」
正吉は、白い百合の花と、赤いカーネーションの花を求めました。彼は、駅の階段を上りながら、
「たとい、一銭でもまちがった金は受け取ってはなりませんよ。」と、教えられた、お母さんの言葉を思い出しました。もうそのお母さんは、この世界のどこを探してもいられないが、お母さんの教えだけは、かならず守りますと、正吉は、お母さんの霊に向かって、誓ったのであります。