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よのなかへでるこどもたち
世の中へ出る子供たち
小川 未明
「婦人朝日」1939(昭和14)年1月
N3 · 进阶 · 新字新假名 · 3,905 字 · 8 页
三
大仕掛けの堤防工事なんだがね、そこへしばらくいくつもりなのだ。ただ母と妹を残していくのが、なんだか気がかりなんでね。」と、高橋は、いいました。
「そう長くは、いっていないのだろう。」
「ああ、しかし、こちらにいい口があるまでは、どの途、しかたがないのさ。」
「きっと、そのうちにはあるよ。」
「僕たち、若いうちに、いろいろ経験するのもいいかもしれない。」と、高橋は、肩をそびやかして、答えました。
「そうさ。僕も、満洲へいこうかと思ったんだ。しかしおふくろを失って、間もないので、父がさびしがると思ったので、見合わせたのさ。」と、正吉は、西の紅く夕焼けした、空をながめていいました。
三
正吉は、月給の入った翌日のこと、田舎へいく高橋のために、送別会を開くことにしました。
あるレストランで、高橋と小原と自分の三人が、夕飯を食べながら親しく話をしたのです。そのレストランは、大きなきれいな店でありました。煖房装置もあれば、壁にはオゾン発生機を備えてあって、たくさんのテーブルには、それぞれ客が対い合っていました。南洋産の緑色の葉の長い植物が、大きな鉢に植えられて、すみの方と、中央に置いてありました。