轻松读懂日语经典作品
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たんげさぜん
丹下左膳
林 不忘
01 乾雲坤竜の巻
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 340,187 字 · 666 页
まことに雨、雪、いや、暴風雨にもなろうも知れぬ不穏なたたずまい……。
間。
お艶はちょいと襟あしを抜いてその手の爪を噛みながら、なかばひとりごとのようにしんみりといいだした。
「いくらわたしがばかだからって茶屋女風情がこうしてあなたというおりっぱなお武家の、奥様で候の、奥方でござりますのと、まあ、言っていられるだけで見つけものだってことは、これでもお艶はよウく知っているつもりでございますよ。でもね、人間てものは、どうやらこうやらお飯がいただけて、それできょう日がすごしていけりゃあア、それでいいってもんじゃありませんからね。あたしだって小綺麗な着物の一枚や二枚、世間の女なみにたまには着てみたいと思うこともありますのさ」
また始まった!――というように、栄三郎は顔をしかめて、思わず白い眼に棘を含ませて部屋じゅうを睨めまわした。
なんと変わり果てたお艶であろう。
あれほど手まめだったお艶が、ちかごろでは針いっぽん、ほうき一つ手にしたことがなく、栄三郎も彼女も着ている物といえばほころびだらけ、汚点だらけ……そのうち、一間しかないこの座敷の隅ずみに、埃がうずたかく積もって、ぬぎ捨てた更え着がはげちょろけの紅裏を見せてひっくり返っているかと思うと、そばには昼夜帯がふてぶてしいとぐろを巻いているという態たらく。