轻松读懂日语经典作品
ja-reading.com
轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。
たんげさぜん
丹下左膳
林 不忘
01 乾雲坤竜の巻
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 340,187 字 · 666 页
流れ矢のように空に白線をえがきながら、トントントントントン! と続けざまに、娘の首、わきの下、両うで、躯幹、脚部と上から下へ順々に板に刺したって、それがすべて肉体とはすはす、一分の隙に娘を避けて板に突き立つものだから、こんどは一同、ふうッと感服の吐息をもらして、拍手することさえ忘れている。
一刀を放つごとに、やッ! やッ! と叫ぶ劉、長い腕をぶんまわしのごとく揮って、黒毛をなびかせ短身を躍らせているようすが、栗のいががはじき返っているよう――。
まるでたたき大工が釘を打つように、またたくまに光剣をもって少女の輪郭を包んでしまった。
茫然としている見物人のまえで、娘がソッと板から離れると、大手をひろげた少女の立ち姿が、つるぎの外線でくっきりと板のおもてに画かれている。
商売商売とはいえ、しんから感嘆に値する入神の技芸!
娘と劉がちょっと手をつないで軽く挨拶をしたとき、固唾をのんでいた観客も、はじめて気がついたように大きな喝采を送った。
が、弥生はすでに、何か思うところあるらしく、かたい決意に顔を引きしめて、そそくさと人を分けつつ小屋を出かけていた。