轻松读懂日语经典作品
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ふたつのじょぶん
二つの
中谷 宇吉郎
中谷宇吉郎『二つの』。同一底本的分册已合并为一书。收入:二つの序文、『団栗』のことなど、詩人への註文、樹氷の科学、救われた稀本、大雪山二題、小さい機縁、天地創造の話、農業物理学夜話、防寒戸、雪は資源である、アメリカの沙漠。
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 115,903 字 · 236 页
一つの盆地の中に十三戸の実行組合があって、その組合長を訪ねた時のことである。今年の馬鈴薯の収穫の話が出たが、その十三戸のうちで、前から篤農家として知られている人が、今年も反当五十俵穫ったのに対し、その組合長は二十五俵しか穫れなかった由である。驚いたことには、その他の組合員は、多くて十五俵、大抵は十俵内外の収穫を挙げているに過ぎなかった。
十俵と十五俵というのならば、上手下手もあるであろうが、同じ一つの盆地の中にいて、十俵と五十俵というのでは、これは単なる上手下手の問題ではない。私は驚いて、その差の原因を聞き出そうと試みた。栽培法のちがいか、地力の差か、肥料や労力の問題か、或は同じ土地といっても微細気象学的にはかなりの差があるはずであるが、そのせいか、そのうちでどれが一番大切な原因で、どれがその次と考えられるかをきいてみた。
いろいろ言葉をつくして詳しく説明してたずねてみたが、その返事は「さあそういうことは分りませんな、何といってもあの人はここらでの篤農家で、薯を作ることは上手なんです」というのであった。これは篤農家というような言葉を覚えさせたのが悪かったのである。