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ふたつのじょぶん
二つの
中谷 宇吉郎
中谷宇吉郎『二つの』。同一底本的分册已合并为一书。收入:二つの序文、『団栗』のことなど、詩人への註文、樹氷の科学、救われた稀本、大雪山二題、小さい機縁、天地創造の話、農業物理学夜話、防寒戸、雪は資源である、アメリカの沙漠。
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 115,903 字 · 236 页
昭和九年十月十二日付のその葉書には、次のような文句があった。
……雪の研究所は大変結構ですから七百円の家を振り出しにして将来七万円七十万円と段々に大インスチチュートに発展する事を蜀望します。今度の小屋はその germ となり、nucleus となり、ignition spark となるべき使命を有するものと思はれ遥に祝意と敬意とを表します。世界に一つ位は Snow Research Institute があつてもいいと思ひます。農業林業鉄道電信航空あらゆる方面に経済的問題と接触するのですから」右気焔迄
今になって考えてみると、その後二年にして六万円の低温実験室が出来、昭和十四年の暮に、現在の低温科学研究所の予算七十三万円が通過したことは、あまりにも不思議な暗合であった。
トタン張りの実験室の中では、三年目の学生の一人が、今までどうしても出来なかった霜の結晶の人工製作に成功した。その研究がこの実験室の中の仕事としては、行けるところまで行き着いた時に、低温実験室が出来た。それが出来上ると間もなく、その中で人工霜が人工雪にと発展して行った。
雪の結晶の人工製作は、このようにして案外すらすらと出来上った。