轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

じんせいあんない

人生案内

坂口 安吾

「キング 第三〇巻第一一号」1954(昭和29)年9月1日

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 10,201 字 · 21 页

青空文庫

「大人の配達だって、ないわけじゃアなかろう」

「東京のように広い区域があってだな。どこのウチも新聞をよんで、新規に別の新聞も読みたいような心得の人間がウジャ/\いるところには大人の配達もいるかも知らねえ。オレんところなんざア、できれば犬に配達させたいと思ってるんだ」

「いいんだよ。つまりオレを大人と思うからいけねえ。オレを子供と思いなよ」

「給料をきいておどろくな。一時間が十円、三十分以下は切りすてだから、朝晩二十円ずつだぜ。田舎のガキにしちゃア高給だが、やっぱり志願者は少い方だ」

「一日四十円か。一ヵ月が千二百円。アブレないから確実だなア。どうだろうね。オレは日に十五時間配達するから百五十円ずつくれねえかなア」

「朝晩の定まった時間内にキチンと配達するから新聞てえんだ」

「どうも、こまったな。じゃア、こうしよう。夜の八時に毎日ここへくるから、諸新聞を読ましてもらいてえな」

「オレの店は新聞を売る店だ。タダで新聞を読まれちゃ商売にならねえや。タダで見せてくれるウチを探してよめ」

人生案内が読めなくては書くハリアイもない。石にかじりついても新聞を購読できるような身分にならなくちゃいけないと思ったが、そんな遠大なことを考えたって、この差し当っての悩みは救われない。