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ひかりあういのち

光り合ういのち

倉田 百三

「いのち」1937(昭和12)年2月号から連載

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 130,439 字 · 263 页

青空文庫

「時代ばなれしただけじゃつまらないわ」

「なあに、ミスチックな美を今風に活かせばいいじゃないの。西洋の美人の写真なんかに幾らでもそんなのがあるじゃないか」

「サラ・ベルナールという人の舞台姿に、そんなのがあったわ。学校の図書館で見たんだけれど」

「出雲のお国なんていうのは、元は大社の巫女でしょう。巫女というものは、昔から世間の檜舞台に出る因縁があるような気がするな。それから静御前なんかでも――もっともあれは悲劇だが」

ここで私はふと信一が言った悲劇という話を思い出した。どうも鈴子が悲劇の女主人公のように感じられるのであった。が鈴子の方ではさっきから私の言葉で機嫌を直していた。

「私思うのよ。万葉集の歌なんかでも、二千年も前のものが今の歌だと言っても、知らない人は本当にするようなのが幾らもありますものね。私だって、私のしたい通りにして、それで新しいといったような風に出来ない事はないと思うのよ」

「そうだ。あなたのしたい通りにしてという事が大事なとこなんだ」

「私のお父さんはそういう主義なのよ。私は思う通りにして、それで好いてくれない人は仕方がないと思うわ」

「そうだよ。