轻松读懂日语经典作品
ja-reading.com
轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。
ふゆがれ
冬枯れ
徳永 直
「中央公論」1934(昭和9)年12月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 23,850 字 · 48 页
潮流の激しい海峡は黒い波の逆まいているのが、巨きな箱の揺れ加減でも、じかに身体に感じた。十四五年前故郷を追われて出京するとき、初めてここを渡った当時のことが憶い出された。絣の単衣一枚に、二日分の握飯を腰へ結えつけた田舎青年は、このデッキの欄干にツカまって…………唄ったものだが。
対岸のホームに降りると、「朝鮮・釜山行」の札のある改札口には……………………………………………………起立していた。暗い待合所のあたりには、そこに一団、ここに一団、故郷を出てきたばかりらしい…………………………おしかたまっていた。冠みたいな帽子をかぶった髪の長い男や、桃色の美しい裳を旅疲れたようによれよれにしている若い女などが、荷物に腰かけてバナナを喰ったりしていた。
ホームの反対側から、汽車を降りてきたらしい……の一群がすれちがった。みんな防寒用の外套を着て、重々しい歩調だった。………低い声で、平常て……などにみるあンな軽い溌溂さのないのが、スクむような感じだった。
この連絡駅は、いつも刺々しく緊張していた。東京行の列車がはるか向うに見えて三四丁もあるホームには、見送りの群衆の鼻ッ先に、一群の男達が無遠慮に旅客達をニラめていた。