轻松读懂日语经典作品
ja-reading.com
轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。
ばけいちょう
化銀杏
泉 鏡花
「文芸倶楽部」1896(明治29)年2月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 27,197 字 · 54 页
十二
」
と歯をくいしめてすすり泣きつ。
十二
お貞は幾年来独り思い、独り悩みて、鬱積せる胸中の煩悶の、その一片をだにかつて洩せしことあらざりしを、いま打明くることなれば、順序も、次第も前後して、乱れ且つ整わざるにも心着かで、再び語り続けたり。
「いっちゃ女の愚痴だがね。私はさっきいったように、世の中というものがあって、自分ばかりじゃないからと、断念めて、旦那に事えてはいるけれど、一日に幾度となく、もうふツふツ嫌になることがあるわ。
芳さんも知っておいでだ。ついこないだのことだっけ、晩方旦那の友達が来たので、私もその日は朝ッから、塩梅が悪くッて、奥の室に寝ていた処へ、推懸けたもんだから、外に別に部屋はなし、ここへ出て坐っていたの。
お客がまた私の大嫌な人で、旦那とは合口だもんだから、愉快そうに話してたッけが、私は頭痛がしていた処へ、その声を聞くとなお塩梅が悪くなって、胸は痛む、横腹は筋張るね、おいおい薄暗くはなって来る。暑いというので燈火はつけずさ。陰気になって、いろんなことを考え出して、つい堪らなくなったから、横になろうと思っても、直ぐ背後に居るんだもの、立膝も出来ないから、台所へ行って板の間にでもと思ったが、あすこにゃ蚊が酷いし、仕方がないから戸外へ出て、軒下にしゃがんで泣いてた処へ、ちょうどお前さんが来ておくれ