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よじげんひょうりゅう
四次元漂流
海野 十三
「子供の科学」1946(昭和21)年3月~1947(昭和22)年2月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 63,363 字 · 128 页
幽霊の科学
「それはあるのよ。ちゃんとあるのよ、四次元世界というものがね。それについてあたしは、ぜひ幽霊のお話をしなければならないの。あの幽霊というものは、四次元世界の者が、三次元世界に重なって、そしてできるところの『切口』であるという結論をお話しなければならないの。その方が、早わかりがしますからね」
「むずかしいお話はごめんだ。ぼくは雪子姉さんのように勉強もしていないし、あたまもよくないんだからね」
道夫が悲鳴をあげた。
「まず、幽霊を科学的に証明しておかないと、あたしが今どんな危険なところに立っているか、それが道夫さんにわかってもらえないと思うわ。道夫さん、実はあたしは、その幽霊なのよ。今あたしは、四次元世界を漂流している身なのよ。助けて下さい。ぜび力を貸してあたしを助けだして下さい。一生のお願いですから……」
と、雪子は姿もおぼろとなり、悲痛な声をはなって泣いて訴えるのだった。ああなぜ雪子学士は、四次元世界などに踏みこんで漂流するような身の上になったのか。
幽霊の科学
しずまりかえった真夜中のことだった。
光もおぼろの下弦の月が、中天にしずかにねむっていて風も死んでいた。