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よじげんひょうりゅう

四次元漂流

海野 十三

「子供の科学」1946(昭和21)年3月~1947(昭和22)年2月

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 63,363 字 · 128 页

青空文庫

深夜のこの作業は、誰にも邪魔をされないで進んでいった。

雪子はだんだんと昂奮の色を示し、じっとしていることができなくて部屋の中を歩きまわる。

「ああ、もうすこしだ、もうすこしだ」といって蛇管の中をのぞいてみたり、「これならきっと夜明けまでに元の世界へもどれるわ」などとつぶやいたり、その他わけのわからぬことをぶつぶついったりした。

「できた薬を姉さんは呑むんですか」

道夫が聞いた。

「そうなのよ」

「のむとどうなるの。四次元世界をはなれて三次元世界へもどれるというの」

「ええ、そうなの」

「すると今こしらえている薬は、いったいどんな働きをするの」

それには雪子は答えなかった。

「話してくれないのだね。じゃあ雪子姉さん。姉さんはどういう方法で、四次元世界へはいっていったの」

「あたしが三次元世界へもどったら、何もかもくわしくお話をしてあげるわ。それはあたしがたいへんな苦労をして見つけた方法なのよ」

「要点をいえば、どんなこと?」

「いやいや。今はいわないの。あとでゆっくりお話をしてあげる」

「四次元の第四の軸って、時間の軸じゃない」

「そんなもんではなくてよ。……ほら道夫さん。