轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

じごくふうけい

地獄風景

江戸川 乱歩

「江戸川乱歩全集付録冊子 探偵趣味」平凡社、1931(昭和6)年5月10日~7月10日、9月10日~1932(昭和7)年1月8日、3月10日<br>メリー・ゴー・ラウンド以下「江戸川乱歩全集 第十一巻」平凡社、1932(昭和7)年4月10日

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 53,774 字 · 108 页

青空文庫

四十男のKが、黒く汚れた仕事服で答えた。

「それは園主の云いつけなのかね」

「それは私が命じているのです」喜多川治良右衛門が引取って答えた。「御承知の通り風変りな遊園地です。朝っぱらから花火を打上げたところで、不思議はないのです。私達はあのポーン、バリバリバリという威勢のいい音と、花火玉が割れて降って来る風船の雨が、たまらなく好きなのです」

検事は苦笑しながら、更に花火係のKに向直って、質問を続けた。

「君は六時前後に、何か怪しい人物を認めなかったかね。君の花火の筒は丁度迷路の裏側にあった筈だね」

「私の持場へは誰も来ませんでした。怪しい人物にも何にも朝の間は人の影さえ見ませんでした」

「迷路の中から人の叫び声は聞えなかったかね」

「ヘエ、それも、少しも気がつきませんでした。丁度花火の音に消されて、私の耳に入らなかったのかも知れませんが」

この花火係を最後にして、一通り取調べが終った。結局湯本譲次が犯人であることを打消す様な事実は何も現われなかった。

例の地底の血の池地獄のそばに隠してあった十数本の怪短剣が、二郎少年の日記帳と共に、証拠品として押収された。