轻松读懂日语经典作品
ja-reading.com
轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。
じごくふうけい
地獄風景
江戸川 乱歩
「江戸川乱歩全集付録冊子 探偵趣味」平凡社、1931(昭和6)年5月10日~7月10日、9月10日~1932(昭和7)年1月8日、3月10日<br>メリー・ゴー・ラウンド以下「江戸川乱歩全集 第十一巻」平凡社、1932(昭和7)年4月10日
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 53,774 字 · 108 页
殺人三重奏
棺に入れてしまうのは惜いと思ったのだ」
湯本譲次は気が違ったのか。恋人の血みどろの死骸を何か世にも美しいものの如く、我を忘れて写生していたのだ。
殺人三重奏
木島刑事は、この気違いめいた有様に、あきれ返って、口も利けなかったが、やがて、徐々に正気に帰ると、いつもの意地悪な、冷たい表情が、彼の顔を占領した。
「湯本さん、恋人の死骸の写生とは思いつきですね。実に巧い考えだ」
彼は皮肉たっぷりに感心して見せた。
「巧いでしょう。こんな美しいポーズは、迚も人間業で考え出せるもんじゃありません。一生涯に二度と手に入らぬ、すばらしいモデルですよ」
譲次は無邪気に自慢している。
「うまいッ! その無邪気さは、名優だって真似が出来ないでしょう」
刑事は益々皮肉に云う。
「名優ですって? すると、何だか、僕がお芝居でもやっている様に聞えますね」
譲次が変な顔をして、刑事を見つめた。
「うまいッ、益々うまいですよ。被害者の死骸を写生して嫌疑を免れ様というのは、実にズバ抜けた新考案です」
「オヤッ、すると、僕が、この女を殺して置いて、その嫌疑を免れる為に、こんな真似をしているとでもおっしゃるのですか」