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おおえどおうごんきょう
大江戸黄金狂
野村 胡堂
「新青年」1939(昭和14)年11月~12月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 26,754 字 · 53 页
恐ろしい結末
恐ろしい結末
「十日も放って置くと、三人共餓死するよ、それが嫌なら、一つだけ助かる工夫を教えてやろう」
「――――」
あれからもう一刻位は経ったのでしょう。天井から吐き散らす、呪いの言葉も大方尽きて、深くなり行く夜だけが、穴から射し込む月光の角度でハッキリ読めます。
「俺は、先祖の百年目の命日に、此処で七人の命をとる事に決めたが、三人の餓死するのを待っているのも馬鹿馬鹿しい。斯うしようじゃないか」
「――――」
「三人のうち、一番後まで生き残ったのを一人助けてやろう――餓死するのを待って居ちゃつまらない、二人を殺したのが助かる事にするんだ。三人でお互に殺し合うんだよ、素晴らしい観物だぜ。大久保石見守の子孫には、丁度宜い仕事だ」
「――――」
「どうだい、――一番強そうな山浦丈太郎は、二人をやっ付けて、助けられる気は無いかえ」
「馬鹿奴ッ」
丈太郎の怒は爆発しました。一喝と共に、落ち散る小判を拾って、パッ、と投げましたが、ヒョイと顔を引っ込めてその手には乗りません。
「フ、フ、やるぜ、でも、そんな事をしても無駄さ、姐御はどうだい、その武家と坊主を締める気はないのかえ」