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いかなるほしのもとに

如何なる星の下に

高見 順

「文藝」1939(昭和14)年1月号~1940(昭和15)年3月号

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 119,508 字 · 236 页

青空文庫

を如実に示しつつ)鏡台の前に、眼白押しにならんで、化粧を落しはじめた。しまい忘れた枕の上に、どっかと腰かけて男のように膝を立てて、首を鏡台につき出しているもの。男のようにと言えば、裸の足が男の毛脛のように毛深いもの。裸の足と言えば、横坐りに坐った足のうらが、真黒なのもいる。それらは、ちょっと幻滅的であった。

ところで、そうした踊り子たちは、年齢はもちろんまちまちだが概して二十前のものの方が多いのに、客席からだと、ずっと齢が上のように見られる。だから楽屋で見ると、感じがまるで違うのだが、同じ楽屋でも、化粧をつけたのと、化粧を落したのとでは、これがまたまるで違うのだった。

ドギついドーラン化粧をおとすと、ゆで卵をむいたような、つるつるの、といっても卵のように白いわけではなく、過労からか、陽に当らないからか、黄色い、いやな色をした顔が出てくるのだが、眉も何もないその顔は、あれ? と驚かれるほど、まるで子供っぽい、というよりむしろ赤ん坊のような顔なのだ。化粧という字は、化け粧うと書くが、全くもって化けさせる。(いつか女優としては経歴の古い女が、私に、――舞台化粧を施すと、お面をかぶったような感じで勇気が出てくる、気持がかわってくる、それで舞台に立てるが、素顔ではとても舞台に出られない、長い年月舞台を踏んでいるの