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いかなるほしのもとに

如何なる星の下に

高見 順

「文藝」1939(昭和14)年1月号~1940(昭和15)年3月号

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 119,508 字 · 236 页

青空文庫

そういうのに違いない。但馬の、逞しく生きようというお題目は、そんな悪心を振いたたせることじゃないんだろうけど、小悪党は、インテリの但馬が言う、逞しく生きようというのがどういうことか、わからない。なんでもいいから、やッたれ、どしどし、やれ、そういう意味と、小悪党的にとっている。それで但馬を見て、悪心を振い立たせた。そういうんでしょうな。――そうなんだ。大したことはない。ちっとも驚くことはないんだ」

朝野は自分から但馬の異様な影像を私の前に描き出して見せながら、それを自分で打ち壊した。打ち壊している最中は、朝野の得意の、自分で自分を侮蔑する、その歓喜のようなもので眼を光らせ、全身に壮烈な力を漲らせている感じだったが、打ち壊してしまうと、急にガタッと身体が小さく萎びたみたいで、何か佗しそうな切なそうな面持である。

そしてボソボソとつぶやくようにして、こうつけ足した。ちょうどこわした彫像のかけらを集めるような調子で――。

「しかし但馬には、へんに人を惹きつけるところがあることはあるですな。――みんな今でも、しょっちゅう但馬のうわさをして、但馬に会いたがっているですわ。