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いかなるほしのもとに
如何なる星の下に
高見 順
「文藝」1939(昭和14)年1月号~1940(昭和15)年3月号
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 119,508 字 · 236 页
「朝野君……」
と私は遮った。(先生、先生って言うの、勘弁してくれ。)からかわれているみたいで、つらかったので、そう言おうとしたが、私はあがっていて口が動かなかった。
小柳雅子は、こっちに膝を向けてキチンと坐り直し、その裸の膝が出るのをスカートをしきりとひっぱって防ぎながら、何か辱しめられたような顔をしていた。身体をすくめるようにして、うなだれたまま、別に何も言わない。
まだ、まるで子供の身体だった。舞台で見ると、可憐な脆美な姿態とはいえ、もう一人前なのに、――ちがった子のようであった。頸がいたいたしい細さで、男の子のような胸だった。
私は、私も、まるでまだ子供の彼女を何か辱しめ、いためつけているような想いで、胸が痛み、――側のひとりの踊り子が、
「ねえ、朝野さん」
と言った時、ほッと救われた感じだった。
「昨日の晩、××さんたちが、うちに来てね。――そうだ。昨日じゃなくて、もう今日の時間だ」男のような口調で「――吉原へ飲みに行くんだって、みんな酔っ払っててね、一緒に行こうというの。いやだと言ったら、じゃ、お茶をのませろというんで、うちへあげたらそのまま坐り込んで、話をはじめちゃって、朝がたまで帰らないの」