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どんぐり

寺田寅彦随筆集 第一巻

寺田 寅彦

寺田寅彦『寺田寅彦随筆集 第一巻』。同一底本的分册已合并为一书。收入:どんぐり、科学者と芸術家、旅日記から、竜舌蘭、花物語、芝刈り、球根、簔虫と蜘蛛、ねずみと猫、物理学と感覚、先生への通信、病院の夜明けの物音、病室の花、丸善と三越、自画像、春寒、春六題、田園雑感、写生紀行、笑い、案内者、断水の日。

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 203,161 字 · 412 页

青空文庫

という現象の機能や本質について何かしらあるヒントを得るように思う。

笑いの現象を生理的に見ると、ある神経の刺激によって腹部のある筋肉が痙攣的に収縮して肺の中の空気が週期的に断続して呼び出されるという事である。息を呼出する作用にそれを食い止めようとする作用が交錯して起こるようである。ところがある心理学者の説を敷衍して考えるとそういう作用が起こるので始めて「笑い」が成立する。笑うからおかしいのでおかしいから笑うのではないという事になる。

私が始めてこの説を見いだした時には、多年熱心に捜し回っていたものが突然手に入ったような気がしてうれしかった。

笑う前にその理由を考えてから笑うという事は不可能であるとしても、笑ってしまったあとで少なくもその行為の解明がつかないのは申し訳のない事であると思っていた。その困難な説明がどうやらできそうな心持ちがしだした。

それにはこの学者の説と、昔よそのおばさんが言った「どこかおなかに弱い所があるせいでしょう」という事とを合わせて考えてみるといいようである。

以上にあげた特殊な「笑い」の実例を見ると、いずれも精神ならびに肉体に一種の緊張を感じるべき場合である。