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どんぐり

寺田寅彦随筆集 第一巻

寺田 寅彦

寺田寅彦『寺田寅彦随筆集 第一巻』。同一底本的分册已合并为一书。收入:どんぐり、科学者と芸術家、旅日記から、竜舌蘭、花物語、芝刈り、球根、簔虫と蜘蛛、ねずみと猫、物理学と感覚、先生への通信、病院の夜明けの物音、病室の花、丸善と三越、自画像、春寒、春六題、田園雑感、写生紀行、笑い、案内者、断水の日。

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 203,161 字 · 412 页

青空文庫

という書物が手に入って読んでみた。なるほどおもしろい本である。この書の著者は、笑いにはすべて対象があるものと考えていて、対象のない笑いには触れていない。そしてその対象は直接間接に人間的なものと考え、顔や挙動や境遇や性格やの滑稽になるための条件公式あるいは規約のようなものをいくつも、科学的に言えばかなり大胆に持ち出してはそれを実例と対照させ説明している。それを基礎として喜劇というものが悲劇ならびに一般芸術に対してもつ特異の点を論じたり、笑いの社会道徳的意義を目的論的な立場で論じたりしている。

読んでいるうちにいろいろ有益な暗示も受けるし、著者の説に対する一二の疑いも起こった。しかしこれを読んだために私がここに書いた事の一部を取り消したり変更する必要は起こらなかった。私の問題は「対象なき笑い」から出発して、笑いの生理と心理の中間に潜むかぎを捜そうとするのであるが、ベルグソンはすっかり生理を離れて純粋な心理だけの問題を考えているのである。

ベルグソンの与えている種々な笑いの場合で私のいわゆる「仮説」とどうしても矛盾するようなものはなくて、むしろこれに都合のいい場合がかなりにあった。