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えいがじだい

寺田寅彦随筆集 第二巻

寺田 寅彦

寺田寅彦『寺田寅彦随筆集 第二巻』。同一底本的分册已合并为一书。收入:映画時代、子猫、解かれた象、相対性原理側面観、怪異考、比較言語学における統計的研究法の可能性について、化け物の進化、ルクレチウスと科学、蓄音機、亮の追憶、一つの思考実験、電車の混雑について、浮世絵の曲線、二十四年前、伊吹山の句について、池、路傍の草、備忘録、日本楽器の名称、Liber Studiorum、時事雑感。

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 207,099 字 · 419 页

青空文庫

私の調べたところでは、北陸道一帯にかけて昔も今も山くずれ地すべりの現象が特に著しい。

これについては故神保博士その他の詳しい調査もあり、今でも時々新聞で報道される。

地すべりの或るものでは地盤の運動は割合に緩徐で、すべっている地盤の上に建った家などぐらぐらしながらもそのままで運ばれて行く場合もある。

従って岩などもぐらぐら動き、また互いに衝突しながら全体として移動する事もありそうである。

そういう実際の現象から「石と石がけんかする」というアイデアが生まれたかもしれないと思われる。

それで、もし、この謙信居城の地の地すべりに関する史料を捜索して何か獲物でも見つかれば少しは話が物になるが、今のところではただの空想に過ぎない。

しかしこの話がともかくもそういう学問上の問題の導火線となりうる事だけは事実である。

地変に関係のある怪異では空中から毛の降る現象がある。

これについては古来記録が少なくない。

これは多くの場合にたぶん「火山毛」すなわち「ペレ女神の髪の毛」と称するものに相違ない。

江戸でも慶長寛永寛政文政のころの記録がある。

耽奇漫録によると文政七年の秋降ったものは、長さの長いのは一尺七寸もあったとある。