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えいがじだい

寺田寅彦随筆集 第二巻

寺田 寅彦

寺田寅彦『寺田寅彦随筆集 第二巻』。同一底本的分册已合并为一书。收入:映画時代、子猫、解かれた象、相対性原理側面観、怪異考、比較言語学における統計的研究法の可能性について、化け物の進化、ルクレチウスと科学、蓄音機、亮の追憶、一つの思考実験、電車の混雑について、浮世絵の曲線、二十四年前、伊吹山の句について、池、路傍の草、備忘録、日本楽器の名称、Liber Studiorum、時事雑感。

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 207,099 字 · 419 页

青空文庫

にすることもできる。

器械の活動美を取り入れたフィルムもあるが、やはりこしらえものは実に空疎でおもしろくない。たとえば「メトロポリス」に現われる器械などは幼稚で愚鈍で、無意味というよりは不愉快である。これに反して平凡な工場のリアルな器械の映画には実物を見るとはまたちがった深い味がある。見なれた平凡な器械でも適当に映出されるとそれが別な存在として現われ、実物では見のがしている内容が目に飛び込んで来るのである。

実物と同じに見せるということは絵画の目的でないと同様に映画の目的でもない。実物を見たのでは到底発見することのできないものを発見させるところに映画の特長があるのではないか。たとえばわれわれが自身でライオン狩りの現場に臨んだとしたら、どうして草原のそよぎなどを味わうことができるであろうか。殺されて行く獅子を哀れむ心を生じるだけの余裕があるであろうか。「なんの権利があって人間はこの自由な野の住民を殺戮するだろう」たとえばそんな疑いを起こすだけの離れた立場に身を置きうるであろうか。

映画に下手な天然色を出そうとする試みなども愚かなことのように思われる。