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えいがじだい
寺田寅彦随筆集 第二巻
寺田 寅彦
寺田寅彦『寺田寅彦随筆集 第二巻』。同一底本的分册已合并为一书。收入:映画時代、子猫、解かれた象、相対性原理側面観、怪異考、比較言語学における統計的研究法の可能性について、化け物の進化、ルクレチウスと科学、蓄音機、亮の追憶、一つの思考実験、電車の混雑について、浮世絵の曲線、二十四年前、伊吹山の句について、池、路傍の草、備忘録、日本楽器の名称、Liber Studiorum、時事雑感。
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 207,099 字 · 419 页
ただ二つのものであって、それ以外に第三のものはないという事を宣言している。その意味はすでに前述のごとく器械的力学的自然観の基礎として現代に保存されたものと同義である。これは物の作用や性質やまでも物体視せんとするストア派の学者に対する手ごわい論難として書かれたものであるらしい。そしてそれはまた今の物理の学生たちがあたかもあたりまえの事であるように教わり、またそう思ってかつて一度も疑ってみる事すらしなかった事である。これも皮肉な事である。今の学生の頭が二千年前の詩人よりも劣っているのか、それとも今の教育法が悪いのかそれはわからない。
ここで注意すべきもう一つの事は、「時間」なるものがやはりそれ自身の存在を否定されて、物性や作用などと同部類のいわゆる偶然的な、非永存的のものと見なされている事である。これも一つのおもしろい考え方である。十九世紀物理学の力学的自然観は、すべての現象を空間における質点の運動によって記載しようとした。そのために空間座標三つと時間座標一つと、この四つの変数を含む方程式をもってあらゆる自然現象の表現とした。後に相対性理論が成立してからは、時もまた空間座標と同様に見なされ取り扱われるようになったが、時というものの根本的な位地を全然奪おうとした物理学者はなかった。