轻松读懂日语经典作品
ja-reading.com
轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。
えいがじだい
寺田寅彦随筆集 第二巻
寺田 寅彦
寺田寅彦『寺田寅彦随筆集 第二巻』。同一底本的分册已合并为一书。收入:映画時代、子猫、解かれた象、相対性原理側面観、怪異考、比較言語学における統計的研究法の可能性について、化け物の進化、ルクレチウスと科学、蓄音機、亮の追憶、一つの思考実験、電車の混雑について、浮世絵の曲線、二十四年前、伊吹山の句について、池、路傍の草、備忘録、日本楽器の名称、Liber Studiorum、時事雑感。
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 207,099 字 · 419 页
」
第二第三の原因らしいものも考えられない事はないが、それらはここには書かない。
亮は自分の事を頭が悪い悪いと言っていた。しかし私の見るところでは、むしろ珍しいくらいいい透徹した頭脳をもっていたように思われる。かなり複雑な科学上の事実や理論でも気持ちのいいように急所をのみ込んだ。世間に起こっているいろいろな出来事でも、その事がらの表面に現われている現象よりも、その現象の底にある原動力のほうにすぐに目をつけていた。他人の言行でもそれを通して直接に腹の中を見透していた。そういう敏感さは子供の時分からすでにあったのが、病気のためにいっそう著しく病的に敏感になっていたように思う。それだから、他人はもちろん肉親の人々やまた自分自身のでも、胸の奥底にある少しの黒い影でも見のがす事ができなかった。そしてそういう美しくないものに対する極端な潔癖は、人に対し自分に対する無心な純な感情の流露を妨げた。そうしてまたそのような感情の拘束の自覚が最もきびしく彼を苦しめ悩ましていたように見える。しかし人一倍美しいやさしい感情を持っていなかったのであったら、このような煩悶はおそらく有り得なかったのではあるまいか。