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えいがじだい
寺田寅彦随筆集 第二巻
寺田 寅彦
寺田寅彦『寺田寅彦随筆集 第二巻』。同一底本的分册已合并为一书。收入:映画時代、子猫、解かれた象、相対性原理側面観、怪異考、比較言語学における統計的研究法の可能性について、化け物の進化、ルクレチウスと科学、蓄音機、亮の追憶、一つの思考実験、電車の混雑について、浮世絵の曲線、二十四年前、伊吹山の句について、池、路傍の草、備忘録、日本楽器の名称、Liber Studiorum、時事雑感。
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 207,099 字 · 419 页
ただもう一二年たって、われわれ「東京者」に対する子供らの好奇心と反感のずっと減少した時分にもう一ぺん「花園の夢」を見るのもいいかと考えている。
五 草刈り
屋敷内に草一本ないという自覚を享楽するために、わざわざ人を雇ってまでも裏庭のすみずみまできれいに草を取ってしまう人がある。こういう人の心持ちが少なくも子供の時分にはわからなかった。なぜ草がはえていてはいけないかどうしても了解できなかった。およそ地からはえ出る植物に美しくないと思うものは一つもなかった。せっかくはえたものをむざむざむしり取るのが惜しいと思われた。旧城趾やその他の荒れ地に勢いよく茂った雑草は見るから気持ちがよかった。そういう所にねころんで鳥の歌、蜂のうなりを聞くのは愉快であった。油絵の風景画などでも、破れた木柵、果樹などの前景に雑草の乱れたような題材は今でもいちばんに心を引かれる。
東京に家を持ってからの事である。ある日巡査がやって来て、表の塀の下にひどく草がはえているから抜くようにと注意して行った。見るとなるほど、黒い朽ちかかった板塀の根にいろいろの草が青々と茂って、中には小さな花をさかせているものもあって、別にきたならしくもなんともなかった。