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えいがじだい

寺田寅彦随筆集 第二巻

寺田 寅彦

寺田寅彦『寺田寅彦随筆集 第二巻』。同一底本的分册已合并为一书。收入:映画時代、子猫、解かれた象、相対性原理側面観、怪異考、比較言語学における統計的研究法の可能性について、化け物の進化、ルクレチウスと科学、蓄音機、亮の追憶、一つの思考実験、電車の混雑について、浮世絵の曲線、二十四年前、伊吹山の句について、池、路傍の草、備忘録、日本楽器の名称、Liber Studiorum、時事雑感。

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 207,099 字 · 419 页

青空文庫

それで私は十余年前の昔から多くの人にこれの研究を勧誘して来た。特に地方の学校にでも奉職していて充分な研究設備をもたない人で、何かしらオリジナルな仕事がしてみたいというような人には、いつでもこの線香花火の問題を提供した。しかし今日までまだだれもこの仕事に着手したという報告に接しない。結局自分の手もとでやるほかはないと思って二年ばかり前に少しばかり手を着けはじめてみた。ほんの少しやってみただけで得られたわずかな結果でも、それははなはだ不思議なものである。少なくもこれが将来一つの重要な研究題目になりうるであろうという事を認めさせるには充分であった。

このおもしろく有益な問題が従来だれも手を着けずに放棄されてある理由が自分にはわかりかねる。おそらく「文献中に見当たらない」、すなわちだれもまだ手を着けなかったという事自身以外に理由は見当たらないように思われる。しかし人が顧みなかったという事はこの問題のつまらないという事には決してならない。

もし西洋の物理学者の間にわれわれの線香花火というものが普通に知られていたら、おそらくとうの昔にだれか一人や二人はこれを研究したものがあったろうと想像される。