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えいがじだい

寺田寅彦随筆集 第二巻

寺田 寅彦

寺田寅彦『寺田寅彦随筆集 第二巻』。同一底本的分册已合并为一书。收入:映画時代、子猫、解かれた象、相対性原理側面観、怪異考、比較言語学における統計的研究法の可能性について、化け物の進化、ルクレチウスと科学、蓄音機、亮の追憶、一つの思考実験、電車の混雑について、浮世絵の曲線、二十四年前、伊吹山の句について、池、路傍の草、備忘録、日本楽器の名称、Liber Studiorum、時事雑感。

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 207,099 字 · 419 页

青空文庫

爆破という言葉はどうしてもあのこわれ方にはふさわしくない。今まで堅い岩でできていたものが、突然土か灰か落雁のようなものに変わってそのままでするするとたれ落ちたとしか思われない。それでもねもとのダイナマイトの付近だけはたしかに爆裂するので、二三百メートルの距離までも豌豆大の煉瓦の破片が一つ二つ飛んで来て石垣にぶつかったのを見た。

爆破の瞬間に四方にはい出したあのまっかな雲は実に珍しいながめであった。紅毛の唐獅子が百匹も一度におどり出すようであった。

くずれ終わると見物人は一度に押し寄せたが、酔狂な二三の人たちは先を争って砕けた煉瓦の山の頂上へ駆け上がった。中にはバンザーイと叫んだのもいたように記憶する。明治煉瓦時代の最後の守りのように踏みとどまっていた巨人が立ち腹を切って倒れた、その後に来るものは鉄筋コンクリートの時代であり、ジャズ、トーキー、プロ文学の時代である。

あの時に塔のほうへ近づいて行ったあの小犬はどうしたか。当時を思い出すたびに考えてみるのだが、これはだれに聞いても到底わかりそうもない。

こんな哀れな存在もあるのである。

二