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えいがじだい
寺田寅彦随筆集 第二巻
寺田 寅彦
寺田寅彦『寺田寅彦随筆集 第二巻』。同一底本的分册已合并为一书。收入:映画時代、子猫、解かれた象、相対性原理側面観、怪異考、比較言語学における統計的研究法の可能性について、化け物の進化、ルクレチウスと科学、蓄音機、亮の追憶、一つの思考実験、電車の混雑について、浮世絵の曲線、二十四年前、伊吹山の句について、池、路傍の草、備忘録、日本楽器の名称、Liber Studiorum、時事雑感。
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 207,099 字 · 419 页
大正十二年の大震災は帝都と関東地方に限られていた。今度のは箱根から伊豆へかけての一帯の地に限られている。いつでもこの程度ですむかというとそうは限らないようである。安政元年十一月四日五日六日にわたる地震には東海、東山、北陸、山陽、山陰、南海、西海諸道ことごとく震動し、災害地帯はあるいは続きあるいは断えてはまた続いてこれらの諸道に分布し、至るところの沿岸には恐ろしい津波が押し寄せ、震水火による死者三千数百、家屋の損失数万をもって数えられた。これとよく似たのが宝永四年にもあった。こういう大規模の大地震に比べると先年の関東地震などはむしろ局部的なものとも言える。今後いつかまたこの大規模地震が来たとする。そうして東京、横浜、沼津、静岡、浜松、名古屋、大阪、神戸、岡山、広島から福岡へんまで一度に襲われたら、その時はいったいわが日本の国はどういうことになるであろう。そういうことがないとは何人も保証できない。宝永安政の昔ならば各地の被害は各地それぞれの被害であったが次の場合にはそうは行かないことは明らかである。昔の日本は珊瑚かポリポくらげのような群生体で、半分死んでも半分は生きていられた。